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    遠藤乾のフライデースピーカーズ(2012年3月30日)

    2012年3月30日三角山ラジオ「遠藤乾のフライデースピーカーズ」は、北海道グリーンファンド理事長の鈴木亨さんと北海道大学公共政策大学院教授の鈴木一人さん(福島第一原発事故民間事故調委員)をお迎えし、311から1年たったこの段階で、原発事故の結果責任と北海道における再生エネルギーの可能性について考えてみました。以下のUstで音楽以外視聴可能です。
    http://www.ustream.tv/recorded/21460261

    鈴木亨さんは、このフライデースピーカーズを引き受けた時からいずれお呼びしようと考えていた方で、その意味で忙しい中駆け付けてくれてとてもうれしかった。生活クラブ生協の職員時代、チェルノブイリ事故を目の当たりにし、再生エネへの運動に関わるようになり、1998年にグリーンファンドを設立されたとのことです。

    鈴木一人さんのほうはこの番組2度目のご登壇。北大の同僚であり、英国時代からの旧友でもあり、EUや国際政治を専攻する同業者でもあり、なんとも改めて紹介するのが口はぼったいくらい。宇宙をはじめとする科学技術政策に詳しく、福島第一原発事故民間事故調委員を務められ、いまや時の人という感あり。今回も忙しい中、東京出張からそのまま駆け付けてくれました。

    前半は一人さんと一緒に、民間事故調の報告書をベースに、原発事故の結果責任について話しました。そもそも民間事故調って何? 誰? どんな資格で調査?といったところから入ったのですが、その辺りの話はまあ常識なので、聴くかWikiってください。ポイントは、政府や国会の事故調と違い、民間事故調は①しがらみがなく、従って政府や議会に対しても自由に批判的考察ができ、②航空機事故調のようなミクロの手法で事故に当たるのでなく、ひろく社会的、歴史的、構造的な原因に遡って事故に至った背景を考察したこと、でしょう。

    対談中最も印象に残っているのは、まず局所責任/全体責任というか、個々がミクロな領域で責任感をもち真面目に仕事している気になっている分、その局所を超え、司司をつないで全体をシステムとして動かすことに責任をもたないという問題。これは、どこかで丸山眞男の無責任体制の話しにつながる。これだけの事故を起こして、だれも責任を取らず、おそらく多くが責任を感じていないという非常に直視しづらい現実を突きつけられた気がしています。

    後半は、一人さん同様千歳空港から出張帰りのまま琴似の三角山FMに来てくれた亨さんも加わり、再生エネを中心に議論。実はここでも「不都合な真実」を垣間見た気がしてなりません。というのも、無知をさらけ出す形になりますが、私は311後に北海道グリーンファンドのような会社は儲かって流行って仕方ない、ということなのかなと漠然と考えていたのですが、そうでは全くないからです。市民風車は4機にとどまり、受注もそうは動いておらず、飛躍的に伸びたのは鈴木亨さんの講演数ばかり。確かに再生エネへの関心と支持は爆発的に増えたのは確かでしょう。また、そうした流れを背景にして、再生エネ促進法も2011年8月に出来、12年7月からは固定買取制度が始まり、その価格が決まるところまでは来ている。でも、こうした動きは再生エネによる発電量の増加にまだきちんとつながってされていないのです。

    ボトルネックはどこにあるのか。それは結局、各地域で独占体を形作っている電力会社なのです。送電が地域ごとに区切られており、お互いに融通がきかず、送電網へのアクセスが各地域の独占企業によってコントロールされている限り、だめなんだ、というのがわかってしまった。まあ、理屈では分かっていたつもりではいたんだけど、311後のそれなりの動きの中で、なんか前向きな流れができていると想像していた。再生エネ促進法により立法面で進歩はあっても、それが定めたのは電力会社による再生エネの「買取義務」であり、但書きの部分(典型的な霞が関文学)で送電網への「接続義務」が安定的な電力供給とか何とかいった名目で制限されたままなのでした。それにより、「買取義務」が明記されていても、その総量を実質的にコントロールできるのが現状。市民風車のような試みを拡張しようとも、そこで作られた電力を売れなければ、事業としては滞ってしまう。

    他にも、北海道グリーンファンドが太陽光や風力の発電装置を作ろうとしても、「不安定」電力供給源の「乱立」を問題視する北電のような独占企業体が、くじ引きでその設立を制限してしまう。これもまた、地域独占体ゆえの問題なのです。これを粘り強く崩していくほかない。発送電の分離は、その大きな一歩となるでしょう。これが枝野経産相のもとでなされるのかどうか、民主党政権の瓦解とともに消えてなくなるのか、フクシマで戦慄した誰もが関心を持ちづつけるべき問題だと言えましょう。

    次回は、4月27日の15時から17時まで。知る人ぞ知る論客で立法過程にもさまざまに関与してらっしゃる酪農学園大学の柳京煕さんをお招きして、柳さんの専門であるTPPと(北海道)農業について検討したいと思います。

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    遠藤 乾

    遠藤 乾 (えんどう けん)

    北海道大学法学部、法学研究科、公共政策大学院教授(国際政治)

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